世界遺産

世界遺産は、観光としてみる価値は確かにある。そして、そこに群がる怠け者が増加し、国全体に新しい国としての産業を生まなくなってゆく。
ドイツでは、有名な大聖堂や観光名所には、必ず道化師がいる。そして、足元にお金を入れる箱がある。それは面白かった、というお客さんからの見返りである。
私が幼い頃、八幡製鉄所の創業記念として毎年11月17日を皮切りに3日間、大規模な露店や催し物が開催された。現在も行われているが、その頃現れるのが、片足で全体が包帯で覆われた軍服姿の男だった。戦争で足を無くした男性を行列で歩く客たちは哀れと思い、お金を安いアルミで作られた皿の中に入れていた。私は遠目で不思議な人もいるものだと、眺め続けていた。もう夜の11時ころには、人もまばらで彼も帰る用意をし、お金を財布に入れ両脇に松葉杖を入れ歩き始めた。その様子を見ながら、少し後を追ってみた。すると、草の影あたりからゴソゴソし、普通の服に着替え、両足で歩いて帰って行った。
「あいつは偽物だ!」と私は感づいたのだ。それ以来、あんな偽物が大勢いることに落胆した。すると、最近の東ヨーロッパの映画にそれに似たコミカルな映画があった。人間のすることは、何という誤魔化しで生きて行くのだろうか、と思ったものだ。
物乞いでは、ペルーもいたしインドや中国にもいた。しかし、エジプトの怠け者は、質がかなり違う。強引で盗賊のようである。世界遺産も、観光客がいなければ、国としての収益がない。デモを起こすことによって、彼らは自分で自分の首を絞めつけている。過去の先祖が築いた世界遺産も、若者の努力が無ければ、誰も近づかなくなる。世界遺産はいずれ風化する。その修理費をどうやって維持するのかも、このエジプト人には分かってはいないようだ。

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